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中国
中国におけるテクノロジーと消費主導による変革
2018年06月26日
ブラッドリー・クローム, リサーチ部門アソシエイト・ディレクター
マット・ワグナー, リサーチ・アナリスト


ほとんどの市場参加者は、米国株式の中で、IT銘柄と一般消費財銘柄の比重を増やし、より重視するような考えには馴染むだろうが、一部の参加者は、これと同じように新興国市場でもドラマチックな変化が起きていることには気づいていないと思われる。過去10年にわたる緩慢ながらも着実な資本市場の自由化に加え、中国国内最大手の企業が何社も著しい成長を遂げたこともあり、中国のスター企業は、経済力としてのみならず、投資先としても台頭してきた。

 

中国最大の企業は、主にはITセクターと一般消費財セクターにあるが、そういった企業は、今や、世界でも最大規模を誇り、急成長を遂げ、知名度も高いトップクラスの米国の多国籍企業と肩を並べるようになっている。2017年以降、中国で最大手の2つの企業の時価総額が併せて5,000億米ドル以上も増え、グローバルIT企業として世界トップ5に入る規模となった。このように急成長を遂げている会社は、「オールドチャイナ」とは根本的に異なる「ニューチャイナ」の象徴である。さらに興味深いことは、中国のナショナル・チャンピオンとして台頭してきた企業のほとんどは国内での成長企業であるという点だ。以下の表にあるとおり、テンセントやアリババの収益のほとんどは中国国内から出ている。これは、ほかのほとんどの大手IT企業が大幅に米国志向モデルに寄っていることと対照的であり、特に米国では規制面での(合併)審査等が厳しくなっていることを考えれば、重要な違いである。

 

アリババとテンセント:セクター的シフトの特徴

Alibaba and Tencent_Hallmarks of a Sectoral Shift

 

消費習慣の変化

 

10年前の中国への投資の検討は、ほかの輸出依存型経済への投資同様、必然的に人民元の価値と国際貿易での見通しを加味していたと思われる。グラフで示した通り、中国国内からの収益の割合が高いことや、より消費主導型経済への移行を目指していることを考えると中国はグローバル経済成長と国際貿易への依存度が低くなっていると思われる。2001年からの10年間の奇跡的な成長は輸出/投資主導であった。中国の政策当局は経済成長の維持と成長モデルの移行という両面を現実的に均衡するよう模索してきた。2010年以降、毎年、国内消費はGDP成長率の半分以上を占めるようになり、個人消費も対GDP401近くまで増えた。ただし、これは依然として先進国市場を大幅に下回っており、例えば、米国において個人消費が占める割合はほぼ70%である。

 

GDP比での国内消費は米国を大幅に下回る

 

対GDPでの個人消費(%)

Household Consumption as of GDP

 

現在、投資家にとっては、IT利用者の増加/普及という国内での変化と、成長エンジンとしての輸出に代わり、国内消費を牽引することになるであろう中間層の拡大という10年間にわたる長期トレンドが注目のテーマである。2017年のデータに基づけば、携帯端末からインターネットへアクセスする中国人約753百万人の内、65以上の人は携帯電話を使って何らかの商品をオンラインで購入したことがあった。インターネットの普及率は55.8%米国人の基準では比較的低いものの、中国は世界で最もコネクトしている(=繋がっている国であり、昨年は、4千万人の人が初めてインターネットへのアクセスを申し込んだ2。このようなトレンドに基づき、我々は中国のIT技術と消費者クラスの上昇が間違いなくグローバル市場と今後の投資機会に大きな影響を与えることになると確信している。

 

最大の企業がイノベーションとグロースを牽引

 

ITセクターと一般消費財セクターで収益の急成長を遂げるためには、S&P 500インデックスS&P 500にある大手IT企業と大手一般消費財メーカーのそれぞれトップ10を抽出してみた。過去5年間のデータでは、これらの企業の売上高は累積で57増えている。また、時価総額ベースでインデックスの約19を占めているため、トータルリターンでみるとITセクターでは155.6%、一般消費財セクターでは107.1%を寄与する計算となった。これら企業には、世界でも最も知名度が高い技術イノベーション企業/ブランドが含まれている。

 

上位10社のウェイト: S&P 500 インデックス

Top 10 Weights_S&P 500 Index

 

次に、上記で調べた売上高の伸びと中国における最大手のIT企業/一般消費財メーカーを比較してみる。多くの銘柄は馴染みがあるように思えるが、あまり知られていないような銘柄も多数ある。こういった企業の平均売上高が過去5年間で435%も伸びたという事実はあるものの、存在が知られている企業も多く、例えば、TALエデュケーション・グループ(TAL)等がそうである。売上高成長のトップはアリババだが、TALも、(同じ期間で見た場合)中国における収益増のペースは2番目に高い。TALは、世界中の子ども達にオンラインで教育サービスを提供する最大手の企業という、いわば中国の消費者のデジタル化から恩恵を受ける立場にある。中国が豊かになり、中間層が拡大し続けるにつれ、親は子供の教育にかける様々な投資手段にますます目を向けるようになるであろう。このような企業は、テクノロジーのトレンドが将来の収益を牽引する個人消費のパターンにつながった説得力のある事例と言える。

 

上位10社のウェイト: ウィズダムツリー・チャイナ・エックスステートオウンド・エンタープライズ・インデックス

Top 10 Weights_WisdomTree China ex-State-Owned Enterprises Index

 

結論

 

2つの主要テーマから考察し、当社は、資本市場の統合と国内志向の増益潜在性という視点から、投資家は中期的に中国株のエクスポージャーを大幅に増やすことを真剣に検討すべきだという考えである。最近のブログ記事で取り上げた、MSCIの各種インデックスへのA株の組入れを含め、資本市場改革による影響を社内で協議したが、外国株式については、往々にしてアクティブ運用や個別銘柄選択でのアプローチを利用するものの、投資機会の幅の広さを考えると、本件については広範囲をカバーするインデックスでのアプローチの検討もご提案したい。インデックスの一例を挙げると、中国政府の命を受けて操業している赤字企業のリスクを抑えつつ、当社で取り上げたような急成長中の企業をターゲットにするインデックス、ウィズダムツリー・チャイナ・エックスステートオウンド・エンタープライズ・インデックス(CXSEウィズダムツリー中国株ニューエコノミーファンドの連動指数)等がそうである。

 

2018年6月20日 記

 

 

 

 

1Sources: Bloomberg, National Bureau of Statistics, World Bank.
2Source: China Internet Network Information Center, 39th Survey Report, 1/17.

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