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債券
米国債:金利上昇は新たな局面へ
2018年05月30日
ケビン・フラナガン, シニア・フィクストインカム・ストラテジスト


先週の火曜日(5月15日)は、10年物国債利回りがテクニカルで重要なレベルを上抜けし、2011年以来の高水準をつけた、米国債市場にとっては記念すべき日となった。ここで、当然ながら疑問が浮上する。それは、新たな局面への移行を達成した米国10年物国債利回りが、現在の水準から今後はどのように推移するのか、といった疑問である。

 

過去に執筆したブログで、私はフィボナッチ数列を用いたテクニカル分析が有効なツールである点を強調した。このツールは、潜在的に価格/利回りの転換点となる下値支持線および上値抵抗線を示す、パーセントに基づいた線を表す。フィボナッチ・リトレースメントの概念は、価格/利回りが市場で一定期間変動した後、オリジナルのトレンドに戻るまで、どの程度の水準まで過去の軌道をたどるかを示唆するものである。

 

 

2018年5月15日以前まで、私は5年間を時間軸としてフィボナッチ分析ツールを使用していた。今年の1月に米国10年債利回りは5年間のフィボナッチ・リトレースメントの76.4%ラインに位置する2.64%を上抜けした。それまでは、この水準超えが困難であることが明らかであったため、上抜け自体が重要な展開であった。この分析によれば、次に控える上値の抵抗線は100%のリトレースメントである3.05%の利回り水準であった。それゆえ、メディアの大半が3%の大台に焦点を絞っていた一方で、債券業界に身を置く我々が注目していた数値は、実際には5ベーシス・ポイント(bp)上に位置していた。

 

今回、3.05%の利回り水準が破られたため、もう一度チャートの画面に戻る必要が生じた。最初の手法としては、米国10年物国債利回りが現在よりも高かった2011年を起点に利用することが考えられる。この時間枠で、次のリトレースメントの水準は、前述の76.4%戻しのおよそ3.19%の利回り水準となる。念の為追記するなら、100%戻しとなるのは、およそ3.77%の利回り水準である。

 

さらに時間をさかのぼることで、より深い洞察を得られるだろう。当然ではあるが、分析期間の延長により、投資家はさらに幅広い視点を得ることが可能になると私は考える。このような観点から、分析の開始地点を金融危機と大不況に陥る前の2007年初めにまで移動した。2011年と同様に、フィボナッチの0%の水準は1.32%(小数点第3位を四捨五入)だが、2007年を起点とした分析では100%のリトレースメントとなる金利水準は5.32%である。特に、この場合は50%のラインが3.32%に位置し、今後10年物国債利回りが目指す次の水準と判明する場合もあろう。

 

結論

 

ある一定の時点で、上値抵抗線を抜けた10年国債利回りの上昇は証明されなければならない。もちろん、米国債市場は現時点で金利上昇を織り込んでいるか、多くのネガティブなニュース(力強さを増す経済成長とインフレ期待の上昇)を許容できる様相を呈している。明らかに米国は国債の供給を急速に増やす必要があり、また、米連邦準備制度理事会(FRB)による米国債の買い入れ停止も、今後の金利情勢に引き続き部分的な影響を及ぼす要因となっているが、これらの3つの要因(経済成長、インフレ期待、国債の買入停止)のうちの2つは今後の経済予測データ次第であるといえる。10年国債利回りが3.25~3.30%台に上昇する軌道は、必ずしも一方通行とはならないかも知れないが、私の見解では、2007年を起点としたフィボナッチ分析が、利回り動向の可能性を大局的な視点から捉える上で有効であろう。米国10年物国債に引き続き注目されたい。今はまだ5月である!

 

特段の注記がない限り、出所はブルームバーグ(2018517日現在)

 

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この記事に関連する重要なリスク

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