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(FRBだけではなく、)日銀も円安を推進
2016年11月18日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


円が110円/ドルの水準に再び下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する期待の高まりだけではなく、日銀による10年物日本国債利回りの「ゼロ上限」確認行動もその原動力となっている。今後数週間にわたり、日米間の金利差拡大が鮮明になるにつれ、円には更に押し下げ圧力が加わるだろう。筆者の個人的な見解だが、円は今後4~6ヶ月間で120~125円/ドルの水準まで下落する可能性があると見ている。

 

日銀の信頼性

 

今年は年間を通し、日銀の信頼性に大きな疑問が呈されてきた。まず、1月末のマイナス金利導入が裏目に出て、更なる急激な円高という逆効果を招き、直近の金融政策会合で政策ターゲットが「10年物国債利回りの0%誘導」に変更されたことにも、懐疑の目が向けられた。専門家のなかには、これは日本における金融緩和の終焉を意味するのではないかと疑うものもいた。利回りが更に深くマイナス圏に沈むのを阻止するため、日銀はいずれ保有債券を放出せざるを得なくなるというのがその論拠だった。しかし実際のところ、日銀は決してそのようなことを意図しているわけではない。なぜなら、利回り0%ターゲットは常に非対称になるよう設計されているからだ。すなわち、利回りがゼロ以上になることは許容しないが、逆の方向には「柔軟」なのだ。9月及び10月の黒田総裁の声明には、この点が明確に示されていると我々は見ている。

 

言葉から行動へ:指値オペ実施

 

本日(東京時間木曜日)、日銀は第1回目となる固定金利オペに踏み切った。固定金利オペとは、日銀が適切と判断するイールドカーブから乖離した水準に利回りが達したときに、日銀が指定する利回りで国債を買う措置である。日銀は今後、より積極的にイールドカーブのマイクロマネジメントに向かい、この新たな無制限金利固定オペというツールを駆使して、イールドカーブをフラット化させるとともに10年物国債の利回り上限を0%に押さえると、我々は見ている。日本のイールドカーブが主要先進国市場の中で最もフラット化するのは間違いないだろう。トランプのリフレ政策が確かなものになればなるほど、日銀が自身の信頼性を主張することはますます困難となり、結果として円安はさらに進むことになるだろう。

 

ふたつの点を補足したい。日銀は8月の会合で、政策ターゲットにも追加変更を加えている。彼らは当面の間、消費者物価指数が2%を安定的に超えるまで、「ゼロ利回り」政策を維持するとしている。現在の消費者物価指数がマイナスであることから、最もアグレッシブな見通しに基づいても、消費者物価指数が2%に回帰するには最低でも2年はかかる。この新たな「オーバーシュート型コミットメント」政策を加えたことで、日本の利回り上限0%政策は2018年末まで続くと見るのが自然である。

 

円安の進行

 

勿論、円安はある程度、米ドル高、すなわちトランプが提唱する米国でのリフレ(通貨再膨張)進行に牽引される。しかし、円安の動向は現在のところ、次回の日銀政策決定会合で量的緩和(QE)が進むか否かという毎月繰り返される憶測とは無縁である。利回り0%ターゲットとはつまり、利回りが少しでも上昇すれば「自動的」に量的緩和が発動するということである。これは、現在の欧州中央銀行(ECB)の政策とは異なるものであり、市場が日銀の確固たる行動を確認するや、円にはユーロを上回る速度で下落圧力がかかると、筆者は個人的に見ている。

 

好調さを増す株式市場

 

最後に、もし我々の見方が正しければ、日本株への影響は極めてポジティブになるだろう。10年物国債利回りの上限が0%になることで、ポートフォリオの日本株へのリバランスが進むと予想される。日銀の「上限0%」政策が信任を得るにつれ、今後数か月間にわたり、保険会社および年金基金がより構造的な日本株の買い手になると予想される。


海外投資には、通貨変動、政治あるいは経済情勢の不確実性に因る損失リスクなどの特殊なリスク要因があります。通貨に対する投資には、信用リスクおよび金利変動などのさらなる特殊要因もあります。


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