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日本企業の利益 - リアリティチェック
2016年10月17日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


日本株は、ここ半年間にわたる比較的狭く(精彩を欠いていた)取引レンジの上限を突き破るために越えるべき最後のハードルに直面している。企業利益のコンセンサス予想は今回の決算シーズン(10月末のIT企業に始まり、11月半ばの金融機関でピークを迎える)で大幅に下方修正される見通しである。アナリストのコンセンサス予想の引き下げは、ポジティブな引き金になるであろうと考えている。

 

日本では、通常、トップダウン・アプローチとボトムアップ・アプローチの利益予想のギャップが大きい。トップダウン・アプローチのマクロ経済予想モデルが、主に為替と世界経済の成長に左右されることがその理由である。円高と世界経済の度重なる成長予測の下方修正により、トップダウン・アプローチの予想は今会計年度において10%前後の減益を見込まざるを得ない状況である(日銀短観等を参照されたし)。通常、グローバル・アセット・アロケーションの判断はトップダウン・アプローチのマクロモデルで決定されるので、グローバル投資家による記録的な日本株の組入比率引き下げの流れが、低調な収益見通しについては既に対処済みであることを証明すると我々は見ている。

 

これに対し、ボトムアップ・アプローチのアナリストは依然として27%の増益を見込んでいる(ブルームバーグのコンセンサス予想を参照)。日本のアナリストが経営陣の不興を買うことを恐れ「後手に回る」ことは珍しくないが、今回重要なのは経営陣自体が来る決算シーズンに会社計画を下方修正するとみられる点である。これは中間決算発表時に多くみられる慣習である。

 

現実的なトップダウン・アプローチと実績重視のボトムアップ・アプローチの予想のギャップが埋まれば、次なるアップサイクル、すなわち修正モメンタムが下方修正から上方修正に転換する準備が整ったことになる。通常、業績予想の上方修正機運は、相場上昇の重要な条件である。

 

注目が集まる円相場

10%の減益を市場がすでに織り込んでいる点は良いニュースであり、バリュエーション面でかなりの上振れ余地があると考えられる。ただし、カギは為替である。どちらの方向に動こうとも、日本の上場企業にとって為替が唯一最大の原動力であることに変わりはない。なぜなら、上場企業の売上高と利益構造は極めてグローバル化が進んでおり、内需は主たる収益源ではないからである。輸出と海外生産である。

 

具体的には、TOPIX採用企業でみると、経常利益のわずか41%が国内事業によるものである。海外生産は31%の利益をもたらし、輸出はさらに28%を加える。これが過去数年間の平均比率である

 

地域別に見ると北米(米国、カナダ、メキシコ)は総利益の24%を占め、輸出が10%、14%が現地生産によるものである。。中国は総利益の「わずか」11%で、輸出が5%、現地生産は6%である。欧州の寄与はほとんどないが、中国を除くアジア地域は、日本企業にとって中国と同程度に重要である。

 

端的に言って、日本企業の利益の最も重要な牽引役は、米国の景気サイクルと、そして米ドル相場である。この点に関し、輸出と現地生産の半分以上が自動車/輸送用機器ならびに自動車部品が占めているため、自動車販売台数は極めて重要である。

 

売上高の成長サイクルと為替のTOPIX採用企業の利益への影響は、次表のように推定される。見づらい表である点はご容赦いただきたいが、基本的な読み方は容易なはずである。どの為替レートでも、例えば、1ドル95円、100円、105円、あるいは110円であっても、売上高は伸びている。

 

現在のトップダウン・アプローチ予想は1%の減収を見込んでいるため、我々は売上高については2%の下振れ、ならびに横ばいと1%の上振れを想定した。

 

為替に関しては、日経Quickの推定によれば、企業は平均為替レートを1ドル100円として予算計上しているとのことである。従って、現時点での「コンセンサス」は1%の減収と1ドル100円を想定しており、今会計年度は10.7%の減益を見込んでいる。この表の想定為替レートによれば、1ドル100円で変わらず、売上高が横ばいで利益も概ね横ばい(1.2%増)であるとして、1ドル95円の円高になれば、売上高は1%減少し、利益も19%減少する。

 

この表では、PERの水準(12~18倍)に応じたTOPIXの「フェアバリュー」を示しており、黄色部分はTOPIXの上昇余地を表している。日本株の上振れ余地は大きく、もうすぐ始まる決算シーズンは、次なる上昇サイクルの下地を整えると見込んでいる。

 

 

 


この記事に関連する重要なリスク

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