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日本の円安政策と銀行株の上昇
2016年08月29日
イェスパー・コール, ウィズダムツリー・ジャパン CEO


+日銀は9月21日に追加緩和を実施し、一段の円安を目指すと予想:DXJ

+日銀はマイナス金利の更なる深堀りをせず、日本の銀行株の価値は見直されると予想:DXJF

日銀の黒田総裁は、更なる円安に向け一刻も無駄にせず動いた。米連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長が利上げに向けた決意を改めて示すや否や、黒田総裁は独自のスタイルで日銀がFRBとは異なる道を歩むことを強調し、「追加緩和の余地は、3つの次元で十分にある…(中略)…物価目標の実現に必要であれば、躊躇なく追加緩和措置を講じる」と述べた。日銀が、受け身の姿勢で単純に米ドル高(米国金利の上昇による)に頼るのではなく、金融政策を緩和させることによって能動的に円安を誘導しようとしているのは明らかである。

重要なのは、コメントのタイミングと明確さだ。グローバルで見れば、米国の金利上昇期待の後退が米ドル安の牽引力のひとつとなって来た。イエレン議長のスピーチがFRBの金利政策面における方向転換のシグナルであるなら、米ドルもまた方向転換することになる。また日本国内に目を向けると、9月の金融政策決定会合で政策の「総括的な検証」が行われるとの発表を機に、今後の日銀の政策に対する懸念が広がっていた。しかし今、黒田総裁のジャクソンホール講演で、政策を疑う余地はなくなった。既存の枠組みに対する総裁の確信に揺らぎはなく、「3つの次元」と彼が例えたツールを使って追加緩和を実施する準備は整っているようだ。

9月20・21日に予想されること

日銀の政策ツールである「3つの次元」とは、下記を指す。 

  1. 量的緩和(日銀のバランスシート拡大目標)
  2. 質的緩和(緩和目標を達成する、日本国債、REIT、ETFなどの資産配分)
  3. NIRP(金融機関が日銀に預け入れる特定の種類の預金に対するマイナス金利)

追加緩和は、まずは量的緩和を通して行われ、質的およびマイナス金利政策には基本的に変更は加えられない可能性が高いと我々は見ている。

具体的には、日銀は8月初旬に安倍内閣が閣議決定した財政支出拡大による経済対策に従うとの従来の見方に変わりはない。追加予算向けには今後12~15カ月で5~10兆円の借入が必要となる見通しであることから、日銀のバランスシート拡大目標は現在の80兆円から90兆円に上昇すると思われる。

ここで重要なのは、財政支出拡大プログラムを実行するためには、テクニカル的には、今後ひとつかふたつの追加予算と2017年度の予算でカバーする必要があるが、当初の基本予算向けの国債新規発行額は今後12~15カ月で5~10兆円だという点である。

ETFとREITの買い入れ目標には変更はないと予想

日銀による資産購入対象として地方債が加えられることで、質的緩和も動き始める可能性がある。これに対して、日銀は購入債券計画の「デュレーション拡大」は行わないと我々は見ている。サイクル上の現時点では、金融全般、特に銀行の利益率に対し負の影響を及ぼす可能性があることから、イールドカーブのフラット化は望ましい結果ではないだろう。

マイナス金利は据え置き

NIRP、すなわち日銀への各金融機関の銀行預金に対するマイナス金利が更に深堀りされることはないと我々は予想している。その理由は、マイナス金利の深堀りがもたらす効果が非対称的な構造を持つからだ。マイナス金利が更に深まれば、金融機関の利益率が圧縮される一方で「実体経済」への恩恵が増すものの、その効果はそれほど高くない。10年固定金利住宅ローンの利率は、すでに0.6%なのである。

もし、我々の予想に反し日銀がNIRPを更に拡大した場合、それは、金融政策会議が日本の銀行と金融システムをよりアグレッシブに、かつより早期に統合したいと考えている極めて強いシグナルとなるだろう。サイクル上の現在時点においてこの点が優先的な政策になるとは、我々は考えていない。

投資のヒント

米ドルが上昇基調に乗ろうとしている局面で積極的に円安が推し進められている状況は、ウィズダムツリーDXJ戦略にとって好機と考える。円安と日本企業の収益見通しが良くなることの両者を、DXJ戦略以上に確実に捉えるファンドはない。5円円安が進むごとに日本企業の収益が約6%拡大することを忘れてはならない。

更に、日本の金融機関がアウトパフォームに向かうと思われることから、ウィズダムツリーDXJFも検討に値する。

日本の金融機関には十分なバリューがある。いわゆる「メガバンク」群は純資産の半分にも満たないバリューで取引されており、実績PBRは0.4~1.2倍レンジの下辺に近い。ディスカウントの理由のひとつは、NIRPの深堀りを通した「日銀の政策による収益圧縮」への懸念であると考える。我々の予想通り、日銀がNIRPをいじくりまわさない限り、日本の金融機関とDXJFはアウトパフォーマンスすると予想している。

 

 

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この記事に関連する重要なリスク

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