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日本株は確かに割安 - パフォーマンスを押し上げるトリガーが視野に
2016年06月29日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


 今こそ日本株に再び目を向ける時だ。予想を裏切って英国がEU離脱を決めたことで、TOPIXは2016年8月のピークを30%下回る水準まで急落し、結果的に日本株のバリュエーションは世界で最も魅力的となっている。さらに重要なのは、日本株が「バリュートラップ」ではない点である。向こう数週間のうちに、ミクロ、マクロの要因が出揃い日本の大型株のパフォーマンスは好転に向かうと予想される。ミクロ面では、今期の減益が見込まれるものの、配当成長と自社株買いの勢いは維持されるとみられる。マクロ面では、財務省と日銀の連携による需要押し上げ策が進んでおり、日銀は低所得者層に対する「ヘリコプターマネー(現金給付)」を含め、8~10兆円を手当てするとみられる。つまり、魅力的なバリュエーションに具体的なトリガーが加わり、日本の大型株に投資する時がまたやって来たのである。

ディープバリューではあるが….
日本株は絶対的にみても相対的にみても割安である。MSCIジャパン指数のPBR1.1倍は長期的な過去のレンジに対してボトム10%の水準にあり、MSCIワールド指数の2.0倍を大幅に下回っている。実績PER14.2倍は過去のレンジに対してボトム2%の水準で、MSCIワールド指数の20.2倍と比べるとはるかに割安である。

これはほんの一例である。当社の株式ストラテジストBruce Liuの試算によると(下表)、どの指標を見ても、日本株のバリュエーションが最も魅力的なことは明らかである。

… 「バリュートラップ」の恐れは?
バリュエーションは極めて魅力的だが、パフォーマンス指標はそれほどでもない。 ROEは8%とMSCIワールド指数の9%をわずかに下回っているだけでなく、パーセンタイル値も過去のレンジの68%水準で、平均を上まわっている。同様に配当利回りは2.5%、パーセンタイル値は過去のレンジに対し93%である。ここに日本株に対して強気になる根拠がある。コーポレート・ガバナンスは根本的に変化し、企業はキャピタル・スチュワードシップを重視するようになってきている。株式リターンと配当は構造的な上昇トレンドにあるようだ。貯蓄率の低下を受けてリターンは上昇しており、新たに導入されたスチュワードシップ・コードとガバナンス・コードが経営陣の姿勢転換に寄与している。日本のフリーキャッシュフロー利回りは12.6%とMSCIワールド指数の7.1%を大幅に上回っているため、株主リターンが構造的に上昇する余地は十分にある。


トリガー1:決算シーズンのテーマは「株主還元」
近々発表される企業決算は、キャピタル・スチュワードシップが実際に改善していることを投資家に確信させるうえで重要である。4-6月期は2期連続の減益が見込まれている。配当の維持あるいは成長、さらには自社株買いの継続を確認したい。今度の決算シーズンでは、株主が「Show me The money」と主張するだろう。我々が考えるように、配当の伸びと自社株買いの勢いが継続すれば、「日本株はバリュートラップ」との警戒感を解く最初の具体的なトリガーとなろう。(4-6月期決算発表のピークは8月初め).


トリガー2:金融政策と財政政策の連携
好パフォーマンスをもたらす2つ目のトリガーはやはり「アベノミクス」である。具体的には、総需要を押し上げるための成長戦略が検討されており、8月末/9月初めには発表の見通しである。すでに、安倍首相は官僚に追加財政刺激策の作成を指示している。熊本地震で甚大な被害を受けた地域のインフラ復旧・復興投資(4~5兆円)が中心である。他には地方企業への資金援助、低所得者層への追加現金支給などが盛り込まれるとみられる。「ヘリコプターマネー」をどのように支給するかという点については激しい議論が続いているが、この問題は「すべき」から「どのように」へと論点が移ってきているようだ。財務省からの1回限りの「贈り物」は現実味を帯びてきている。
 

極めて重要なのは、「チーム安倍」が追加財政支出について日銀との連携を非常に重視している点である。 特に、金融政策の効果が薄れていると強く認識しており、日銀のバランスシートと総需要をより直接的にリンクさせることが焦点となっている。すなわち、次の追加財政支出では日銀が主役になるとみられる。基本的に、日銀は「量的緩和」を財務省が追加予算に必要とする額に相当する規模に拡大すると予想される。8~10兆円の追加予算は赤字国債の発行で手当てし、これによって日銀のバランスシートの成長目標は現在の80兆円から88~90兆円に増加する見通しである。


日本の大型株は好転の時期を迎えつつあると考える。目下、バリュエーションがかなり割安なうえ、ミクロ、マクロの両面からパフォーマンスを押し上げるトリガーが浮上してきている。日本の大型株への投資機会が再び訪れたと言えよう。

 


この記事に関連する重要なリスク

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