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グローバル市場に溢れるジャパンマネー -- 日本の投資家は重大なグローバル問題をどう考えているのか
2016年05月17日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


グローバル市場に溢れるジャパンマネー: 2016年1~4月に日本の投資家は約1,100億ドル相当の外国証券に投資した。これは4カ月間の買い越し額としては過去最高であり、2015年にも2,300億ドルを買い越している。4月までの買い越し額1,100億ドルのうち、約900億ドルは外債、200億ドル程度は外株に投入された。マイナス金利導入により資金が海外に流れたことは明らかである。

 

経済学的に見れば頷ける行動だが、日本の機関投資家が今日のグローバルな問題(米大統領選挙、英国のEU離脱問題、人民元の見通し、さらには国内における消費税率引き上げ)に対してどう考えているのかはよく分かっていない。ジャパンマネーがグローバル市場に大量に流れ込んでいる現状に鑑み、日本の投資家が重大な政治的・政策的リスクをどう見て今後を予想しているのか考えてみたい。

 

この点に関するヒントを得るために、ウィズダムツリー・ジャパンは5月16日に東京で開催したJapan Investor Seminar (ジャパン・インベスター・セミナー)で調査を行った。約50社の市場参加者を対象としたこの無記名アンケートの結果は以下の通りである。

 

米国株にとって有利なのはトランプ氏よりもクリントン氏

 

次期米大統領が誰になるかはまだ不透明である。投資家の予想はトランプ氏とクリントン氏で真っ二つに分かれているが、米株式市場にとってどちらが望ましいかという点に関してはクリントン氏の方がふさわしいとの回答が60%を占めた。トランプ氏はクリントン氏よりもドル安支持派とみなされているが、回答者はどちらが大統領に選ばれるとしても、ドルは下落すると予想している。トランプ氏が大統領になればドル安になるとの回答者の比率は70%、一方クリントン氏が勝利すればドル安になると回答したのは60%だった。

 

ドル円相場の見通しについては意見が分かれ、向こう12カ月は1ドル=100以上に円高が進むとの回答が31%、115円以上の円安になるとの回答もこれまた31%だった。現行の105~110円のレンジで推移するとの見方も38%あった。分布はバランスのとれたベルカーブ状であるため、トランプ氏が勝利すればコンセンサス・バランスはドル安に向かうと思われるが、今後の行方を注視する必要があろう。

 

ある投資家は、どちらが大統領になっても米国市場にとっては望ましくはないとコメントした。筆者の解釈によれば、「クリントン氏は想像力に欠け、政策面に目新しさがないため市場をリードする力はなく、夢を抱くことができない。トランプ氏はあまりに独創的かつ攻撃的であり、憶測や不安感を煽るだけである」。

中国 – さらなる人民元切り下げの可能性

 

人民元に対する回答結果ははっきりしていた。向こう12カ月で人民元が5%前後切り下げられると予想したのは41%、28%はさらに大幅な10%程度の切り下げを予想していた。すなわち、程度の差こそあれ、人民元の切り下げは見込まれていることになる。

 

ブレキジット(英国のEU離脱)の可能性は低い

 

英国のEU離脱問題に関しては、参加者の86%が離脱しないだろうと回答した。

 

…日本の消費税率引き上げは先送り

 

2017年に予定されている消費税率引き上げについては意見がほぼ一致した。投資家の90%は安倍首相が税率引き上げを先送りすると予想しており、実施するとみているのはわずか10%だった。興味深い点として、増税の必要性については31%が同意した。

 

調査のサンプル数が限定的であるため、これをもって日本のコンセンサスと考えるのは問題だが、当社の公式・非公式の議論に基づき、現在の投資家センチメントをある程度反映していると考える。

 

注目すべき点として、日本の投資家は概ねドル高は予想していないようだ。人民元の安定もポジティブ・サプライズとなろうが、英国がEUから離脱すれば大きな衝撃を及ぼすだろう。国内に目を向けると、消費税率引き上げを予定通り実施すれば、投資家の信頼感はかなり損なわれると思われる。

 

筆者はコンセンサスとは反対の見方に自信を持っており、ドル高と人民元の安定を予想している。日本については、来年予定されている消費税率引き上げを安倍首相は先送りするとみているが、12月に実施される可能性がある総選挙の票集めを睨んで10月~11月まで決意の発表を待つと予想する。

 


この記事に関連する重要なリスク

海外投資には、通貨変動、政治あるいは経済情勢の不確実性に因る損失リスクなどの特殊なリスク要因があります。通貨に対する投資には、信用リスクおよび金利変動などのさらなる特殊要因もあります。



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