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安倍首相の巻き返し - ヘリコプターマネーと内需押し上げ
2016年03月28日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


目標とする「ヘリコプターマネー」に向かって 

 非常に重要なのは、新たな財政措置は金融政策を直接的に補完する内容、すなわち日銀の国債購入によるキャッシュを直接家計部門に注入すると考えられる点である。具体的には、ワーキングプアと呼ばれる層への現金支給、プレミアム商品券、子育て世代を対象にする現金支援などが考慮されている。 今後、計画提案までに詳細な検討が必要なことはもちろんだが、チーム安倍が目標とする「ヘリコプターマネー」政策の具体的な第一歩を踏み出そうとしていることは明らかである。

 

低所得者層やワーキングプアを対象とした現金・商品券の支給は貯蓄よりも消費を促す可能性が高まるだろう。1990年代後半に国民全てに商品券が配布された前例があるが、そのうちのほぼ1/3は使用されなかった。おそらく、高所得者層には興味がなかったのであろう。ここに来て「チーム安倍」は 限界消費性向を最大限まで引き上げる意向で、ワーキングプアと子育て世代(所得に対する消費の比率が高い)に注目している。当然ながら、これは7月の参院選を前にした「マキャベリ的な」国民に受けるための方策だが、これに加えて自民党は国費をタイミング良く配布することを目論んでいる。

 

「ヘリコプターマネー」に加え、今後発表される財政政策は地方のインフラ投資の増加、公共事業の前倒執行といった従来的な政策が中心になるであろう。従って、向こう数週間で内需拡大に関するコンセンサス予想は上方修正されるとみられる。不動産業ならびに建設業、さらには中小企業が大きな恩恵を受けると予想される。また、設備投資サイクルの上昇を見越し、資本財セクターの回復が期待される。 

 

サプライサイド政策は?

  景気減速の様相が高まっているため、我々は5月18日に発表予定の2016年1-3月期GDPは2期連続でマイナスとなると見ており、需要対策は大いに歓迎されると考えている。スピード感、柔軟性、創造性を持った行動は、「アベノミクス」に対する信頼感を取り戻すだけではなく、G7諸国首脳の一部から出ている財政拡大に対する抵抗を反転させることに役立つ可能性があるだろう。安倍首相は、5月27~29日に開催される伊勢志摩サミットで、柔軟な需要政策に対するリーダーシップを発揮したいと願っているはずである。興味深いことに、中国もまた財政支出を最近強化している。

 

しかし、日本に海外資金を再び呼び込むためには景気対策の効果を認めさせる必要があるが、それだけでは不十分である。サプライサイドの改革は明らかに停滞しており、成長戦略には規制緩和や民営化などにおける、より積極的な進展が不可欠である。この点で期待が持てるのは、「経済特区」の進展が5月半ばにまでに明らかになることであろう。これによって、ヘルスケア、ロボット工学、フィンテック、クラウドおよびスーパーコンピューティング、代替エネルギー、農業、建設業などが新たな投資対象となるだろう。さらに、コンセッション事業と官民の連携に具体的な進展が見られるであろうと予想する。

 

日本では「サプライサイド」改革が進行しており、向こう3~6カ月で設備投資の増加が明らかになると予想される。そこで、海外投資家が日本株に再び目を向ける可能性があると見ている。我々は、「チーム安倍」の景気対策に対する積極的かつ創造的な姿勢が正しい方向への重要な一歩を刻むであろうと考える。投資アイデア:不動産業、ヘルスケア、小型株にはポジティブであり、資本財セクターにとっては最初のポジティブなきっかけとなると予想。

 


この記事に関連する重要なリスク

海外投資には、通貨変動、政治あるいは経済情勢の不確実性に因る損失リスクなどの特殊なリスク要因があります。通貨に対する投資には、信用リスクおよび金利変動などのさらなる特殊要因もあります。



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