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経済成長戦略
2015年09月21日
イェスパー・コール, ウィズダムツリー・ジャパン CEO


経済成長戦略は向こう6~8週間で再び注目を集めると思われる。今週末には懸案の安全保障関連法が可決・成立する見通しであるため、安倍政権はできるだけ早く経済政策の信頼性回復に努めるだろう。ここ数カ月にわたり内需・外需ともに予想を下回っているため、緊迫感が高まっている。とりわけ、内閣府の推計によれば、2015年1~3月期の「GDPギャップ」はマイナス1.6%とデフレ領域にあり、4~6月期のGDPがマイナス1.6%になったことでGDPギャップはさらに拡大する恐れがある。

 

 

財政政策

景気対策のまず一歩は財政刺激策の拡大であろう。この面では、台風被害からの復旧などすぐに必要な公共投資計画が再び注目されている。特に、全国にある老朽化により危険度が増している道路・鉄道のトンネルに加え、数多くある古く脆くなっている堤防の存在は国家的な問題である。しかし、補正予算によって2~3兆円は手当てできるだろう。さらに、地方経済の活性化や高齢者介護向けの費用を加えると、補正予算は少なくとも約5兆円規模(GDPの約1%程度)になると考えられる。

 

 

金融政策

日銀は流動性を追加投入して補正予算と公共投資の拡大を支援するとみられる。これまで通り、財政赤字の拡大に合わせて日銀が国債買い入れを増額するのはまず間違いないだろう。理念に基づけば、日銀は唯一のリフレ政策として金融刺激策を用いることには反対だと思われるが、リフレ政策が公共投資の拡大とセットであればその限りではないだろう。特定のプロジェクトに向けた財政ファイナンスの増加はよいが、予算超過を招くのは好ましくない。

 

安倍政権が信頼を得るカギはまさにここにある。政権に対する市場の信頼・信認を取り戻すためには、財務省と日銀が協力して成長戦略を推し進める必要がある。向こう4~6週間はまさに同じ目標に向かい一丸となって進むことが政権の課題である。

 

 

政治イベントのタイミングとカタリスト

今後の政治イベントはある程度はっきりしている。まず、安倍首相はニューヨークで開催される国連総会の期間中に米投資家に向けて一連の講演を行う。10月半ばには補正予算の枠組みが明らかになる。10月30日には、日銀が「経済・物価情勢の展望」の中間評価を発表する予定である(CPIと成長見通しは再び下方修正されるとみられる)。日銀が10月30日にこれを発表できるか否かは、補正予算をめぐる議論の行方次第であろう。 FRBの金融政策の転換に伴う国際マネーの流れも注視する必要があるが、日銀は内需に注目すると思われる。

 

いずれにしても、11月末までには金融と財政の両面から追加刺激策が出されると考える。

 

重要なのは、12月末に発表される通常のレベルを超えた予算案と税制改正である。ここでは、来年度から実施される法人税減税(税率を3ポイント程度引き下げて29%とする)が注目される。安倍政権にとっての課題は、成長を取り戻すために緊迫感を持って取り組んでいることを示し、補正予算の必要性を明らかにすることであろう。この点で、今後6~8週間が正念場になると思われる。

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この記事に関連する重要なリスク

海外投資には、通貨変動、政治あるいは経済情勢の不確実性に因る損失リスクなどの特殊なリスク要因があります。通貨に対する投資には、信用リスクおよび金利変動などのさらなる特殊要因もあります。



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