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日本市場-起こるべくして起こった調整、ファンダメンタルズに異変はなし-
2015年08月24日
イェスパー・コール , ウィズダムツリー・ジャパン CEO


先週、日本株市場は5.5%下落し、週間としては15カ月ぶりの調整幅を記録したが、年初来では依然として11.8%上昇しており1、今回の調整は来るべきものであったと考える。日本のリスク資産(株式と不動産)が向こう数年にわたって上昇するとの見方に変わりはない。

 

当社の見方を裏付ける4つの理由

  1. バリュエーション
  2. 流動性
  3. 内需
  4. 成長戦略

バリュエーションは分かりやすい: 現在、TOPIXの実績PERは16.3倍とここ10年の平均である25倍強に比べて大幅に割安とは言えないが、アベノミクスが始動してからの3年間の平均実績PER17.1倍を下回っている。たしかに、日本株のバリュエーションは特に割安な水準ではない。2014年4月に実績PERは一時的に14倍を割り込んだが、バリュエーション面から見て日本株は引き続きかなり魅力的と言っていいだろう。

 

流動性も日本株にとって良好な環境が続くことを示唆している。まず、日銀はバランスシートを80兆円拡大するという姿勢を維持しており、ベースマネーは前年比33%増と大幅に拡大している。量的・質的金融緩和の「テーパリング」や終了に関する議論は出てきていない。それどころか、消費者物価指数(CPI)上昇率がまたもやゼロに近づいているため、日銀(2%の物価安定目標を維持)に対する圧力は強まりつつある。

 

さらに重要なことに、日本の銀行システムが「流動性のわな」から脱却しつつある事例が増えている。銀行の貸出額の伸びは2.5%前後で推移しており、広義のマネーサプライの伸びは2014年末の約3%から今年7月には4.3%に加速した。国内株式の配分比率引き上げに加え、ここ3カ月で投資信託への資金流入が上向いている現状がある(賃金の上昇と夏の賞与が要因)。

 

成長率はどうであろうか。世界的に経済成長が減速しているのは間違いないが、日本は成長率のポジティブサプライズに欠かせない要件を備えているとみられる。たしかに、中国経済の減速、「ニューノーマル」を標榜する米国、低迷する欧州を背景に輸出は厳しい状況が続いている。一方、日本の内需は着実な回復と成長モメンタムに向かっている。その背景には労働市場の逼迫があり、ほぼ一世代ぶりに賃金と所得が上昇傾向にある。先ごろ発表されたGDP統計によると、第1四半期の給与所得は0.7%増と前年同期を上回った。同統計によれば、住宅投資も年率8%と大幅に伸びており、向こう数四半期は資本財の需要が増加すると予想される。

 

とはいえ、外需減少の影響を受けて輸出の伸びは低迷しているが、内需は本来的にまた着実に回復している。中小企業と金融およびヘルスケア・セクターは具体的な理由による投資増加によって恩恵を受けるだろう。

 

アベノミクスの成長戦略を支持

 

最後に、安倍政権の断固たる成長戦略は秋の国会で再び明らかになると思われる。9月に安倍首相が自民党総裁として再選されるのは確実で、首相の権力は増大するとみられる。安倍首相は9月末に訪米し、国連の年次総会で講演するとともに、大手企業や投資家と話を交わす予定である。さらに、具体的な成長戦略が10月の2016年度予算審議の場で明らかになると予想される。成長戦略の中心は法人税減税、児童手当の増額、高齢者介護費用の増額である。来年7月に予定されている参院選で安倍政権は成長戦略に関する項目を大規模に打ち出すと考える。

 

現状分析: 成長戦略は9月終盤か10月にかけて再び明らかになるだろう。これに加えてまずまずのバリュエーション、流動性の増加、内需拡大の見通しを考えると、今週の調整は当然のものであり、向こう数年にわたって日本株が上昇するという当社の見方は理にかなっていると言えよう。

 

 


この記事に関連する重要なリスク

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